大島分場(草苅ほか)

 沖合定線調査:大島~鳥島間4月は8測点、2月10測点、11月はベヨネーズまで8測点の観測を実施した。地先定線調査:大島~御蔵島近海19測点を毎月1回観測したが、11~2月間は荒天による欠測点が生じた。
 1967年の海況は冷水塊の影響が北部に少なく、南部に大きかったことが特徴である。1~3月に八丈島・青ヶ島に冷水塊の影響が大きく、1963年の異常冷水に近い状態であった。マル稚ネットで2月伊豆半島E~S海域においてキュウリエソ卵が多量に出現したことは特異であった。
 主要魚種の漁況のうちサバはね釣は1月は振わず、2月に銭州で平均8~9トンの好漁が続き3月、4月と漁場が拡がり漁獲もよく活況を呈した。大型船は5月、小型船は6月終漁となった。ムロアジ棒受網は3月三宅島周辺で始まり、17~18トンの好漁があったが、4月は漁獲がやや減少し、5月には新島・銭州に移り8月~12トンの漁となり、6月上旬終漁した。9月上旬銭州・御蔵島方面で始まり、10月になり御蔵島・大室出し等で好漁がみられた。以後漁場が分散し次第に低調となった。

研究要報68(1968.4)