温水魚研究部(伊藤ほか)、奥多摩分場(田中ほか)

〔昭和49年度の調査結果〕 主要魚種の分布は前年度とほぼ同様であったが、丸子堰下で遡上稚アユが確認された。
〔昭和48年度及び49年度の結果の総合分析〕 魚類の水平分布は4つのタイプに分けられ、それぞれ優占、優位種は次のとおりである。A:ウグイ、B1:オイカワ、B2:オイカワ、モツゴ、タモロコ、フナ類、C:フナ類となる。これらは河川形態によるすみ分けというより水質との関係が深いと考えられる。
 1974年8月の集中豪雨による異常増水の影響は稚魚が下流に大量におし流され、魚が分散して一様に広がりをみせる傾向がみられた。
 堰が魚類に及ぼす影響は堰上は尾数が少ないが大型魚が多く、瀬を好む魚はいない。堰下は、河床が変化に富み魚種が多い。また、瀬と渕による魚類のすみ分けの検討を行った。
 主要魚種の生息と繁殖及び産卵場の検討を行うとともに成熟状況についても検討した。
 異常魚として穴あき病魚の出現状況を調査し、多摩川では年間を通じ夏から秋に多かった(発生率5.4%)。変形魚は拝島橋より下流にみられた。
 多摩川における漁業の動向は1957年約500トン以降漁獲量は下降の傾向を辿っている。

研究要報118(1975.3)

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