鈴木・岡庭

 1958年江戸川を流下する卵を大量採集し、池中で飼育に成功した。
 卵は河川の表面ばかりでなく、ある程度の深さにわたって流下し、江戸川では卵の孵化は市川橋の下流と推察されるので生存率は低いと想像される。
 飼育した卵からみるとソウギヨ1 : ハクレン0.93の出現であった。
 ソウギヨはミヂンコで餌付けでき(孵化後3日)、仔魚の育成には孵化後1週間の水温調節が最も大切である。
 卵を肉眼で大小に分け、測定の結果卵径が大は5.4~4.9㎜、平均5.09㎜、小は4.7~4.4㎜平均4.56㎜であったが、飼育後をみると大では10尾中ソウギヨ7尾、ハクレン3尾であった。小では全く反対数であった。
 ソウギヨとハクレンは孵化後5日で区別がつく。即ち肛門前の仔魚膜鰭中に黒色素の多数現われるのがハクレンである。

研究要報10(1957.3)

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