奥多摩分場

 1969年度中に都内養殖池に発生した疾病は9種類であった。カラムナリス病による被害は軽微であったが、本年初めてIPNに類似した病気が発生した。ビブリオ病の被害は軽微で、カビによると思われる病気が発生した。
 IPNと思われる稚魚の死亡が見られ、相当な被害を受けた。マラカイトグリーン・硫酸銅・過マンガン酸カリによる薬浴効果は顕著でなかった。
 マラカイトグリーンによる魚病予防試験を実施した。長期間流下し、白点病に効果があったが、カラムナリス病では確認できなかった。3日に1回の流下で予防効果あると考えられる。
 サルファ剤の組織内濃度と給餌率の関係について、ニジマス稚魚にスルファモノメトキシンを投与して試験した。給餌率の低い方が濃度の上昇が速く、最高濃度も高く、持続時間も長くなる。投薬方法との関係は、ソーダ塩をペレットに添加する際に水に溶かして浸漬するのがよい。せっそう病の治療試験で抗生物質3種を用いたところ、オキシテトラサイクリンーQ、同一HCℓ,テトラサイクリンの|順で効果がある。また予防のためのワクチン接種は0.1mg、腹腔でも筋肉でもよい。

研究要報81(1970.2)

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