マテガイの意外な収穫方法!?

 短刀の鞘のような独特の形をしたマテガイSolen strictusは、アサリRaditapes philippinarumと同じ場所に棲んでいますが、アサリのように素手や小さな熊手では採取できません。スコップで一生懸命に掘り起こしても採取するのは容易ではありません。これは本種が数十㎝以上も深く潜っているうえ、逃げ足が速いからです。ところが、マテガイが棲む生息孔に食塩をふりかけると、体の一部が速やかに飛び出てきて簡単に採取できます(写真参照)。その理由は、本種が塩分濃度に敏感であるからです。この習性を知っているか知らないかがマテガイ料理を賞味できるかどうかの分かれ道になります。なお、本種が砂中に潜るスピードは意外に早いため、取り出した個体を砂上に放り出しておくと、いつの間にか姿がみえなくなるので注意が必要です。

 さて、マテガイの名称の由来は幾つかあるようです。例えば、殻の両側から足と出入水管を出している様子が左右の手のようにみえることから真手(まて)と呼ぶとか、殻の内部が人の肌を思わせ、殻を開いた姿が股(また)にみえるからだそうです

写真1 写真2

写真3

孔がみえにくい時は砂を除けてから食塩を振り込みます(上段左)

飛び出してきたら、先端をつかんで逃げないように採取します(上段右)

収穫したマテガイ(下段)

 写真4 写真5

約3㎜から約11㎜のマテガイの形態変化(白の1目盛は1㎜) 

平成23年9月13日内湾水質調査結果

 

St.1 羽田洲

St.2 羽田沖

St.3 15号地

St.4 三枚洲

St.5 お台場

調査開始時刻

10:44

11:37

9:14

8:26

12:19

調査終了時刻

11:19

12:00

9:57

9:08

12:49

底曳開始緯度

N35 31 50.85

N35 33 29.03

N35 36 46.58

N35 37 20.73

N35 37 46.09

底曳開始経度

E139 47 39.52

E139 47 47.82

E139 50 16.74

E139 51 25.40

E139 46 15.64

底曳終了緯度

N35 31 50.76

N35 33 28.03

N35 36 46.25

N35 37 19.73

N35 37 45.53

底曳終了経度

E139 47 41.06

E139 47 48.53

E139 50 15.20

E139 51 26.11

E139 46 14.38

曳網距離(m)

38±3

36±3

40±3

36±3

36±3

天候

風向

S

S

SSW

SW

SW

風速(m/sec)

6.3

6.5

5.3

2.3

2.1

風力

4

4

3

2

2

気温(℃)

28.2

28.5

29.5

27.9

30.3

実測水深(m)

5.0

5.9

5.9

3.8

2.8

透明度(m)

0.9

1.8

1.2

0.8

0.9

水色

5GY6/4
灰黄緑色

9YR5.5/8
黄金色

5.5Y6/8
黄土色

10Y6.5/10
黄茶色

9YR5.5/8
黄金色

水温
(℃)

表層(0.5m)

26.71

26.93

26.93

26.17

27.90

底層(B-1m)

26.41

26.15

26.17

26.86

27.22

塩分

表層(0.5m)

12.0

23.0

15.0

8.1

15.7

底層(B-1m)

27.5

26.5

26.4

24.7

16.7

DO
(mg/l)

表層(0.5m)

5.83

6.59

8.12

8.12

12.14

底層(B-1m)

4.82

4.18

4.29

5.39

8.91

DO
(%)

表層(0.5m)

78.1

94.3

111.1

105.4

169.4

底層(B-1m)

70.1

60.2

61.7

77.8

123.6

pH

表層(0.5m)

8.17

8.33

8.46

8.37

8.48

底層(B-1m)

8.37

8.30

8.32

8.48

8.23

濁度

表層(0.5m)

10.4

2.5

4.8

8.1

5.4

底層(B-1m)

10.4

1.6

2.2

12.4

5.1

電導度
(mS/cm)

表層(0.5m)

20.9

37.8

25.7

14.4

27.2

底層(B-1m)

44.0

42.4

42.2

40.3

28.5