肉食性巻貝のツメタガイと砂茶碗?      

葛西臨界海浜公園と東京ディズニーランド沖に挟まれた水域に三枚洲と呼ばれる天然浅場が広がっています。今回、アサリやシオフキなどの大型貝が棲む場所を探る目的で、長さ6mの柄を付けたジョレンを作製して船上から30mほどの距離を引いて調査を行いました。調査対象の上記二枚貝に混じって、二枚貝を捕食する肉食性巻貝のツメタガイが予想外に多く採集されたので紹介します。ジョレンを引き上げると先端の爪にツメタガイが幾つか刺さり(写真1)、取り込み部の袋網にはツメタガイの卵塊の一部が入りました(写真2の右下の黒い薄片)。ツメタガイの卵は茶碗を伏せたような砂混じりの独特の形をした卵塊をつくっているため、通称「砂茶碗」と呼んでいます。潮が引いた春以降に干潟を歩くとこの不思議な形の卵塊が目に留まります。

なお、捕食行動は肉食性巻貝といわれるにふさわしい豪快さで、対象の二枚貝に近づいて覆いかぶさり、ざらざらした歯舌により2㎜前後の穴を殻に開けて軟体部を食べます。海岸に打ち寄せられた二枚貝の殻頂部に楊枝が入るほどの穴が開いた殻をみかけますが、ツメタガイの捕食跡です(写真3の中央下のマテガイ)。 

写真1 ジョレン先端の爪に刺さるツメタガイ 写真2 ツメタガイと卵塊の破片

写真1 ジョレン先端の爪に刺さるツメタガイ  写真2 ツメタガイと卵塊の破片

写真3 捕食跡の穴

写真3 捕食跡の穴              

 

平成26年9月3日 内湾水質調査結果   

    St.1 羽田洲 St.2 羽田沖 St.3 15号地 St.4 三枚洲 St.5 お台場
調査開始時刻 11:09 12:09 10:16 9:42 13:06
調査終了時刻

11:53

12:39 10:45 10:12

13:32

底曳開始緯度 N35 31 54.9 N35 33 27.7 N35 36 46.4 N35 37 17.7 N35 37 46.3
底曳開始経度 E139 47 36.2 E139 47 45.9 E139 50 15.4 E139 51 20.8

E139 46

15.6

底曳終了緯度 N35 31 54.6 N35 33 27.1 N35 36 46.8 N35 37 17.5 N35 37 45.8
底曳終了経度 E139 47 37.6 E139 47 47.1 E139 50 16.7 E139 51 19.4 E139 46 14.4
曳網距離(m) 35±3 35±3 36±3 35±3 36±3
天候
風向 E E

SE

SE SW
風速(m/sec) 2.3 1.2 0.6 0.9 0.9
風力 2 1 1 1 1
気温(℃) 27.9 27.7 27.8 26.6 29.4
実測水深(m) 3.5 6.0 6.5 4.9

3.4

透明度(m) 1.4 1.4

1.8

1.5 2.0
水色 5.5Y4/4     緑褐色 5.5Y4/4     緑褐色 5GY3/3      暗灰黄緑色 5GY3/4       暗灰黄緑色 5GY3/3      暗灰黄緑色
水温(℃) 表層(0.5m) 24.96 25.65

24.72

24.16 25.99
底層 (B-1m) 23.74

22.10

22.08 22.10 24.08
塩分 表層(0.5m) 15.9 13.2 8.5

19.1

15.6

底層 (B-1m) 21.2 30.1 32.2

31.3

23.2
DO(mg/l) 表層(0.5m) 15.20 15.62 8.80 8.38 6.02
底層 (B-1m) 4.64 0.14 0.03 2.05 2.65
DO(%) 表層(0.5m) 201.8 206.7 111.5 111.7 81.3
底層 (B-1m) 62.2 2.0 0.5 28.3 36.0
pH 表層(0.5m) 8.60 8.66 8.02 8.12 7.64
底層 (B-1m) 7.88 7.64 7.74 7.86 7.53
濁度 表層(0.5m) 3.8 4.9 3.7 4.6 2.4
底層 (B-1m) 22.0 6.8 12.1 1.6 2.6
電導度(mS/cm) 表層(0.5m) 26.1 22.2 14.5 30.3 26.1
底層 (B-1m) 33.0 43.8 46.5 45.3

36.0

 

 

 調査側点図

 調査側点図