平成29年11月 シラウオに似たハゼ科のシロウオ       

      シロウオLeucopsarion petersi の稚魚がSt.1羽田洲で採集されました(写真1)。白く透きとおった体の中央に丸い浮き袋があり黒い点々(黒色素胞)が並んでいることが確認できます。シロウオはスズキ目ハゼ科の魚で、日本全国の内湾や沿岸域に生息し、生きたまま食べる(おどり食い)食材としても有名です。寿命は約1年で、最大50mmほどに成長します。名前がよく似たシラウオSalangichthys microdon はキュウリウオ目シラウオ科の魚で、シロウオとは全く別の魚です。シラウオは昭和32年を最後に統計上から姿を消していますが、類似種のイシカワシラウオSalangidae ishikawaeは本調査においても採集されることがあります(詳細は本ホームページの内湾調査 平成24年3月「標本室に眠っていたシラウオの標本」を参照ください)。 

写真1 シロウオ稚魚(全長約20mm) 
写真1 シロウオ稚魚(全長約20mm)
 
 
 平成29年11月11日に、今年度3回目の東京ベイ・クリーンアップ大作戦が開催されました。島しょ農林水産総合センターは、水生生物観察会を担当しました(写真2)。今回の展示生物は岩場で採集したイソガニ類やヤドカリに加え、島しょセンターの展示水槽から運んできたマハゼ、ボラ、ドロメ(いずれも東京湾で採集した個体)を使いました。マハゼは、6月に全長7cmほどの大きさでしたが、全長20cmほどに成長しており、参加者の中でハゼ釣りの経験がある方もその大きさに驚いていました(写真3)。マハゼはこれから産卵期を迎え、1年という短い一生を終えますが、東京湾でも大きいものは25cmほどに成長します。また、参加者の質問に答える中で、運河や海浜公園などで見かけるジャンプする魚の正体がボラであることを初めて知ったという地元の方も多くいました。大都会の豊かな海を実感していただいた1日となりました。
写真2 生物観察会の様子 写真3 展示中のマハゼ
写真2 生物観察会の様子        写真3 展示中のマハゼ
 
 
 
 
図1 調査地点         

図1調査地点

 

 

 

平成29年11月 内湾水質調査結果 

平成29年11月 内湾水質調査結果.xls [38KB xlsファイル] 

表1 平成29年5月8日内湾水質調査結果