春に海中を漂う花びら!?

 晩秋に東京湾へ流下した6㎜前後の大きさのアユの赤ちゃんは、5から7㎝の稚アユに成長して春以降、川の上流を目指します。この間、店頭に並ぶイワシ類の子供と同じように、細長くて透明なシラスの形態をしています。今回、そのシラス期のアユの餌生物調査の一環として、海水を汲み上げ、細かい目合いのネットで篩った標本を顕微鏡で観察していたところ、写真の花びらのような2㎜サイズの生物が他の動物プランクトンに混じって確認できました。初夏には直径20、30㎝に成長して東京湾の海中をゆっくりとしたスピードで漂うミズクラゲAurelia sp.のエフィラ(=ephira)と呼ばれる幼生と考えられます。

 なお、ミズクラゲが大量に発生すると、火力発電用冷却水の取水口を埋めてしまい運転に支障が生じるほか、漁業者の底引網が引けなくなり網を破る原因になるため、綺麗とばかり言っておれません

写真1 

 ミズクラゲの幼生と考えられる直径約2㎜のエフィラ(写真下の1目盛は1㎜)

 

平成24年4月10日内湾水質調査結果

 

St.1 羽田洲

St.2 羽田沖

St.3 15号地

St.4 三枚洲

St.5 お台場

調査開始時刻

10:33

12:15

13:35

14:25

15:45

調査終了時刻

10:51

12:36

14:00

14:50

16:10

底曳開始緯度

N35 31 51.9

N35 33 28.7

N35 36 41.4

N35 37 08.0

N35 37 46.3

底曳開始経度

E139 47 37.8

E139  47 49.7

E139 50 19.2

E139 51 18.8

E139 46 14.0

底曳終了緯度

N35 31 52.8

N35 33 26.9

N35 36 38.5

N35 37 05.1

N35 37 45.7

底曳終了経度

E139 47 34.2

E139 47 52.1

E139 50 16.0

E139 51 19.6

E139 46 13.1

曳網距離(m)

94.39

81.81

144.47

91.57

30.17

天候

風向

SE

SE

SE

SE

SE

風速(m/sec)

4.0

6.0

4.0

2.0

3.0

風力

3

4

3

2

2

気温(℃)

18.1

17.5

16.7

17.2

18.2

実測水深(m)

3.3

5.3

4.7

4.7

2.3

透明度(m)

2.3

1.7

1.1

0.8

1.3

水色

17

17

18

19

17

水温
(℃)

表層(0.5m)

14.30

14.60

14.30

15.20

15.20

底層(B-1m)

14.20

13.80

14.00

13.90

15.40

塩分

表層(0.5m)

26.9

22.7

24.7

21.5

27.5

底層(B-1m)

27.8

26.9

28.4

29.9

27.7

DO
(mg/l)

表層(0.5m)

8.30

9.90

9.30

10.10

9.60

底層(B-1m)

8.30

7.90

9.30

9.20

8.80

DO
(%)

表層(0.5m)

97.9

116.4

108.3

94.7

116.7

底層(B-1m)

98.6

93.2

110.5

122.8

107.0

pH

表層(0.5m)

8.28

8.37

8.38

8.34

8.47

底層(B-1m)

8.47

7.94

8.41

8.53

8.49

濁度

表層(0.5m)

5.3

5.9

9.0

8.0

6.7

底層(B-1m)

4.0

5.2

8.0

8.1

8.6

電導度
(mS/cm)

表層(0.5m)

33.18

33.41

24.85

27.85

34.67

41.81

35.57

27.86

33.72

42.62

底層(B-1m)

33.87

35.79

34.68

36.29

34.92

42.99

41.80

41.81

46.03

42.81