晩秋の内湾調査

秋も深まり、多摩川河口でもモクズガニが見られるようになりました。
小型のサメも確認できました。


モクズガニ

 このカニの名前はモクズガニ。大きなハサミに軟毛がふさふさついているのが特徴で、関東では別名、モクゾウガニとも呼ばれています。高級中華料理で有名な上海ガニ(シナモクズガニ)と近縁です。秋になると繁殖のために川から海水の混じる河口に降りてきます。その行動を降河回遊(通し回遊)と言います。


タイワンガザミで、左が雄、右が雌

これはタイワンガザミで、左が雄、右が雌。成長して成ガニになると、雄は紫がかった鮮やかな群青色に変化します。地味な色の雌はガザミと間違われることもあるようです。


シロザメ

せいぜい1m程の小型のサメで、名前はシロザメ。カニ、エビなどを食べるだけで人には危害はありません。
(東京都内湾漁業環境整備協会の調査より)


ドチザメ

このサメはドチザメで、シロザメより一回り大きくなります。これもおとなしいサメです。(同左)


アマモ移植の試み

アマモの親株

お台場の干潮線下40cmから50cmの砂泥場に11月9日移植したアマモの親株で、稲と同じ種子植物です。これから初夏に向けどの程度生育するのか調べていきます。
このアマモは 1.砂泥中から窒素やリンを多く吸収して生育し、光合成が活発になると水中に酸素を出す環境改善作用や、2. 他生物の産卵場や餌場になるなど、生物生産に果たす役割が大きいため注目されています。


コアマモ

こちらは同じく移植したコアマモです。葉体は食材にするニラ程度の幅です。本来の生育場では、アマモよりも浅場に分布を広げており、春の大潮時には干上がっているものも見られます。
左記のアマモと同様、昔は東京湾でも河口干潟域のアサリやハマグリ場でびっしり生えていました。


平成16年11月15日内湾調査

調査ポイントはこちらから

調査位置 st.1 羽田洲 st.2 羽田沖 st.3 15号地 st.4 三枚洲 st.5 お台場
時刻 10:20 10:50 9:25 8:45 11:45
天候 R R R R R
風向/風力 NNW/2 N/2 N/1 NW/1 NE/1
気温℃ 14 14 14 14 13
水深(B)m 3.0 6.9 6.0 5.0 4.2
透明度m 2.2 3.2 3.0 3.8 3.0
水色
5.0G
5.0/5.0
dl-G

5.0G
5.0/5.0
dl-G

5.0GY
3.5/4.5
dk-G

5.0GY
3.5/4.5
dk-YG

5.0GY
3.5/4.5
dk-G
水温℃ 表層 18.30 19.80 19.0 19.0 19.0
底層(B-1)m 18.30 19.10 19.80 19.60 19.10
塩分 表層 26.10 23.0 26.50 27.60 24.60
底層(B-1)m 26.50 26.50 29.40 29.0 24.60
pH 表層 7.95 7.90 8.02 8.10 7.53
底層(B-1)m 7.86 7.87 8.0 8.09 7.14
DOmg/L 表層 7.33 6.48 6.19 6.52 5.23
底層(B-1)m 7.86 7.87 6.24 7.18 5.50
濁度 表層 4.13 3.68 4.10 4.31 3.89
底層(B-1)m 4.19 4.34 4.56 4.52 4.10
電気伝導率 表層 5.40 5.20 3.40 4.40 2.30
底層(B-1)m 5.10 3.70 9.50 3.0 3.0