葛西海浜公園“東なぎさ”の干潟調査

 葛西海浜公園“東なぎさ”東端で、平成22年8月11日に2枚貝の枠取調査を前年と同様に行いました。スコップで掘っていくと、炭化した草木の破片や、死亡時期が異なる新旧の貝殻片が砂泥中に多く混じっており、大きな出水や攪乱があったことが窺えました。

 今回、汽水性のヤマトシジミCorbicula japonica Primeや、内湾性のアサリRuditapes philippinarum(Adams&Reeve)、シオフキMactra veneriformis Deshayes in Reeve、イソシジミNuttallia japonica(Reeve)、マテガイSolen strictus Gould、オキシジミCyclina sinensis(Gmelin)、ハマグリMeretrix lusoria(Roding)などの7種が採集されました。

 なお、アサリは、平成22年春以降に発生したと推定される殻長5~6㎜前後の小さな個体(下段写真の青矢印)のみで、前年(平成21年7,8月)の調査で確認した小型アサリ(平成20年秋から同21年春生まれの個体)は全く採集されませんでした。当該水域がアサリの成育に不都合な環境になってきていることが考えられます

 

写真1  写真2

 写真左は小型のアサリ(青矢印)、シオフキ(黄矢印)、ヤマトシジミ(茶矢印) 

写真右はオキシジミ(黒矢印)、マテガイ(桃色矢印)

注:写真右のアサリ殻に開いた穴は肉食性巻貝であるツメタガイが捕食の際に開けた穴と考えられる。

 

写真3

ハマグリと考えられる個体


平成22年8月9日内湾水質調査結果

  St.1 羽田洲 St.2 羽田沖 St.3 15号地 St.4 三枚洲 St.5 お台場
調査開始時刻 10:46 11:35 9:20 8:43 12:30
調査終了時刻 11:05 12:00 10:10 8:58 12:55
底曳開始緯度 N35 31 49.59 N35 33 28.25 N35 36 44.32 N35 37 18.26 N35 37 46.75
底曳開始経度 E139 47 39.25 E139 47 48.04 E139 50 13.88 E139 51 22.93 E139 46 15.92
底曳終了緯度 N35 31 50.21 N35 33 27.66 N35 36 43.47 N35 37 17.37 N35 37 46.22
底曳終了経度 E139 47 40.40 E139 47 48.91 E139 50 12.67 E139 51 23.75 E139 46 14.65
曳網距離(m) 35±4 29±4 38±4 35±4 36±4
天候
風向 SW SW SSW SSW WSW
風速(m/sec) 4.3 6.7 2.8 5.6 5.2
風力 3 4 2 4 3
気温(℃) 26.6 28.2 26.2 25.4 29.4
実測水深(m) 3.4 6.0 5.3 3.7 2.6
透明度(m) 1.5 1.9 1.5 1.5 1.4
水色 5BG 5.5/1.5
 (灰色)
5G 2.4/3
(暗緑色)
5GY 3/3
(暗灰黄緑色)
5G 3.5/1.5
(暗灰色)
10GY 4/3
(暗緑色)

水温

(℃)

表層(0.5m) 28.13 27.84 28.44 28.14 28.06
底層(B-1m) 28.00 27.85 28.08 28.28 27.95
塩分 表層(0.5m) 21.5 22.8 17.5 12.9 17.0
底層(B-1m) 25.6 26.1 26.6 26.2 18.0

DO

(mg/l)

表層(0.5m) 3.75 6.80 5.27 5.83 5.69
底層(B-1m) 3.13 3.42 2.97 2.43 5.24

DO

(%)

表層(0.5m) 54.3 98.6 74.9 80.5 80.2
底層(B-1m) 46.2 50.5 44.2 36.1 74.1
pH 表層(0.5m) 8.04 8.39 8.33 8.34 8.15
底層(B-1m) 8.19 8.31 8.33 8.32 8.18
濁度 表層(0.5m) 4.7 2.2 6.1 3.9 3.9
底層(B-1m) 1.4 1.6 1.6 1.9 4.1

電導度

(mS/cm)

表層(0.5m) 36.4 38.1 30.4 22.9 29.4
底層(B-1m) 42.5 43.2 44.1 43.7 30.9