平成19年11月 内湾調査結果


羽田空港周辺で延縄により採集された魚類調査の概要

東京湾奥における魚類の季節的消長と種間関係などの河口域における生態系を探るため、羽田空港周辺で底延縄漁具により採捕された魚類の種類、大きさ、消化管内容物などを月1回調べています(魚体は、東京都内湾漁業環境整備協会より提供)。
写真1は4地点のうちの1地点の採捕魚ですが、全体を通してマハゼが最も多く採捕されました。本種は、冬春期に浅場の砂泥地帯に産卵用の生息孔を掘って産卵する習性があることから、晩秋頃より河口域に集まりやすくなります。他に、マアナゴ、スズキ、キスなどが僅かですが採捕されました。
スズキ(写真1、写真3)は、全長71.2cm、体重3.4kg、卵巣重量356gでした。消化管内から全長19.5cmのコノシロなどが出現しました(写真4)。なお、コノシロは全長比でスズキの27.4%もありました。

写真1 写真上、左がマハゼ、右がマアナゴ。写真下がスズキ。
写真1
写真上、左がマハゼ、右がマアナゴ。
写真下がスズキ。
写真2 仕掛け針は5号
写真2
仕掛け針は5号

写真3 全長71.2cmのスズキ
写真3
全長71.2cmのスズキ

写真4 同スズキが捕食していたコノシロなどの魚類
写真4
同スズキが捕食していたコノシロなどの魚類

平成19年11月16日内湾水質調査結果

調査位置 St.1 羽田洲 St.2 羽田沖 St.3 15号地 St.4 三枚洲 St.5 お台場
時刻 9:11 8:32 10:28 10:09 11:04
天候
風向/風速(m/s) NE/4.5 NE/4.5 E/4.0 NE/3.5 NE/2.0
気温 (℃) 12.2 12.0 11.3 11.1 12.1
実測水深(m) 5.2 7.0 6.8 6.4 5.0
透明度(m) 2.3 2.5 3.1 3.1 3.5
水色 10GY3/4 5G2.4/3 10GY3/4 10GY3/4 10GY3/4
(暗緑色) (暗緑色) (暗緑色) (暗緑色) (暗緑色)
水温(℃) 表層 18.24 17.46 17.93 17.67 18.26
底層(B-1)m 18.60 18.33 18.91 18.56 19.72
塩分(PPT) 表層 29.70 26.23 27.32 28.41 27.31
底層(B-1)m 30.42 28.40 31.82 31.78 30.24
pH 表層 7.96 7.93 7.95 8.01 7.81
底層(B-1)m 7.97 7.97 7.91 8.07 7.87
DO(mg/L) (%) 表層 6.07 6.68 6.05 6.85 4.49
76.7 81.2 76.2 86.0 57.4
底層(B-1)m 5.60 5.75 4.48 6.20 4.38
72.3 76.2 57.5 79.3 54.9
濁度(ppm) 表層 3.6 3.7 2.9 2.2 2.8
底層(B-1)m 5.9 5.2 8.1 0.8 3.7
電気伝導率(mS/cm) 表層 45.75 40.88 42.96 43.90 42.39
底層(B-1)m 46.76 46.26 48.41 48.59 46.38