潮が引くと干潟に出現するミステリーサークル!?

 平成21年7月22日に引き続き8月5、6日に葛西臨海公園“東なぎさ"で2枚貝の枠取り調査を行いました。干潮時にさしかかると無数のサークルが顔を出します(写真1)。そのサークルの直径は50~60㎝ほどあり、すり鉢状の形をしています(写真2)。潮干狩りに出かけた人の中には、誰が掘った穴だろうと不思議に思われたこともあるかと思います。実は、このサークルは当該水域で数多く見かけるアカエイDasyatis akajei(Muller et Henle)が捕食時に掘った穴です。
 アカエイの尾部背面には大きな棘があり、刺されると相当なダメージを受けます。人工干潟では、刺されて病院に搬送される人が毎年数人程いると監視員から聞きます。万が一刺された場合の応急措置は、火傷をしない程度の温水で患部を温めると痛みがやわらぐと聞きますから、自動販売機が近くにあれば使うのも手です。
さて、浅場での移動時や、砂泥域での潜水調査時にアカエイに遭遇すると、数十㎝ほどの水深がある場所なら、基本的にはアカエイが驚いて先に逃げます。また、浅場から深場へと繋がる斜面であれば、アカエイが比較的落ち着いて逃げる様子が観察できます。しかし、濁りのある浅場で遭遇すると、非常に驚いて魚体をひねることがあります。このようなケースと直接魚体を踏んだ場合はとても危険なので十分注意する必要があります。

干潟上のサークル

写真1 干潟上のサークル

サークルの拡大

写真2 サークルの拡大

大型のアカエイ

写真3 大型のアカエイ

棘を切除

写真4 中型エイから棘を切除

棘と大人の人差し指

写真5 棘と大人の人差し指

 

平成21年8月4日 内湾水質調査結果

水質調査結果