平成18年11月 内湾調査結果

晩秋のお台場での取り組みと生き物たち

11月4日に恒例の“東京湾ベイクリーンアップ大作戦”がお台場で開催されました。これに合わせて、写真(左下)に見られるような画像やグラフの入ったパネル、標本による生物と環境の説明や、方形枠を用いた調査方法などの説明を行いました。
東京湾の自然に興味をいだく人達からは、水質や生物の生息状況に関して様々な質問がありました。そこで、現状を説明し、行政の他にどうすれば川や海の再生に一人一人が関われるのかなど心構えについてお話しさせていただきました。さて、右下の写真は、干潟に舞い降りたカモメですが、何か真剣な様子が伝わりますね。
よく観察していたら、水辺のゴカイ類を引っ張り出して吸い取るように食べており、シギにも劣らぬ食べっぷりに感動しました。

調査方法などの説明を行いました。

干潟に舞い降りたカモメ


下の写真は、富津に自生するアマモとお台場へ株を移植するまでの様子をあらわしています。
 株移植は、初期流失を防止するために、一般的には 1. 地下茎を特殊な粘土で重り代わりに結着して移植する方法、2. 地下茎を輪ゴムを用いて割り箸に固定して移植する方法、3. 目合いの大きい大型ネットを敷設し、その下に移植する方法などが行われていますが、海が比較的穏やかなお台場では、何も施さずにそのまま直植えしています。
 ただし、株の採取時には、地下茎をできるだけ長く採取し、その後端をアンカー代わりにして深植えしています。なお、一部の株については、地下茎をU型に曲げた竹で固定する方法で移植してみました。

11月8日 富津海岸に自生するアマモ

11月8日 富津海岸に自生するアマモ

11月8日 富津でアマモの株を採取

11月8日 富津でアマモの株を採取

11月9日 お台場へ移植するアマモ

11月9日 お台場へ移植するアマモ

11月9日 移植直後の海底のアマモ

11月9日 移植直後の海底のアマモ

11月9日 地下茎をU型に曲げた竹で覆ったら・・・・・

11月9日 地下茎をU型に曲げた竹で覆ったら・・・・・

11月9日 移植場所周辺の二枚貝や巻貝

11月9日 移植場所周辺の二枚貝や巻貝


平成18年11月24日内湾水質調査結果

調査地点図はこちら

調査位置 St.1 羽田洲 St.2 羽田沖 St.3 15号地 St.4 三枚洲 St.5 お台場
時刻 8:54 9:53 10:44 10:17 11:27
天候 晴れ 晴れ 晴れ 晴れ 晴れ
風向/風速(m/s) NE/6.9 NE/8.2 NE/9.1 N/3.5 ENE/3.0
気温(℃) 9.8 9.9 11.2 9.7 10.5
実測水深(m) 3.7 8.2 6.2 6.5 3.2
透明度(m) 3.0 2.7 2.6 2.9 3.0
水色 10GY3/4 5GY3/3 10GY3/4 10GY3/4 10GY3/4
(暗緑色) (暗灰黄緑色) (暗緑色) (暗緑色) (暗緑色)
水温(℃) 表層 15.90 15.35 15.71 15.50 16.07
底層(B-1)m 15.79 15.50 17.37 17.07 16.72
塩分(PPT) 表層 29.79 27.13 26.67 28.22 26.86
底層(B-1)m 29.82 27.51 32.11 31.47 28.06
pH 表層 8.31 8.27 8.38 8.32 8.16
底層(B-1)m 8.29 8.28 8.30 8.36 8.18
DO(mg/L)
(%)
表層 10.20 10.46 9.56 10.41 8.91
131.0 127.3 116.4 125.7 107.6
底層(B-1)m 11.70 11.09 7.83 9.41 9.24
134.6 126.0 92.0 116.0 108.2
濁度(ppm) 表層 3.2 3.8 4.3 3.6 3.3
底層(B-1)m 3.3 4.4 5.2 4.0 4.1
電気 伝導率
(mS/cm)
表層 45.91 42.20 41.32 43.70 41.80
底層(B-1)m 45.91 42.53 49.06 48.24 43.52