溶存酸素量に影響する水温!?

 溶存酸素量(DO)は、夏期を中心に著しく低下します。これは、海水温が高いと温度躍層が形成されて上下水の混合が弱まることから、植物プランクトンの光合成で放出された酸素や、空気と触れた表層水が底層に届かない状態になるからです。一方、冬期には海水温が低下し波浪も高まるため上下水がよく混合する上、微生物の活動も不活発化しDOは安定します。図2に、平年値と猛暑であった平成22年の水温を示しました。気温と同様、水温は夏期に高く冬春期に低下する季節的変動が見られますが、同22年は夏期を中心に平年を大きく上回っています。特に、7月の平年偏差は、3から4℃程にも達しています(表1)。このことから、同22年の夏秋期は、移動性の低い底生生物の生息条件は一段と厳しかったことが想定されます

図1   

図1 調査地点

 

 

表1 7月の水温、地点別平年偏差
項目 St.1 St.2 St.3 St.4 St.5
7月表層 3.68 4.44 3.47 3.36 4.60
7月底層 4.34 2.69 2.36 5.54 4.19

 

 

図2 

図2 調査地点別の水温(縦棒はSD)

注;平年値は平成12年から同21年の平均値

 

平成23年5月17日内湾水質調査結果

 

St.1 羽田洲

St.2 羽田沖

St.3 15号地

St.4 三枚洲

St.5 お台場

調査開始時刻

11:25

12:32

9:58

9:18

13:23

調査終了時刻

12:03

12:55

10:47

9:50

13:56

底曳開始緯度

N35 31 47.93

N35 33 21.86

N35 36 45.30

N35 37 17.64

N35 37 46.62

底曳開始経度

E139 47 37.16

E139 47 55.84

E139 50 14.98

E139 51 22.76

E139 46 16.30

底曳終了緯度

N35 31 46.75

N35 33 20.82

N35 36 44.48

N35 37 16.46

N35 37 46.04

底曳終了経度

E139 47 37.27

E139 47 56.61

E139 50 13.99

E139 51 23.04

E139 46 14.98

曳網距離(m)

36±4

38±4

36±4

37±4

38±4

天候

風向

SSW

S

S

SSW

S

風速(m/sec)

9.2

9.2

4.3

4.0

3.1

風力

5

5

3

3

2

気温(℃)

19.2

18.8

20.3

19.1

20.3

実測水深(m)

6.4

6.0

5.0

3.5

2.9

透明度(m)

2.5

2.5

1.3

1.5

1.6

水色

5G2.4/3
暗緑色

5G2.4/3
暗緑色

5GY3/3
暗灰黄緑色

5GY3/3
暗灰黄緑色

5GY3/3
暗灰黄緑色

水温
(℃)

表層(0.5m)

18.16

17.97

18.56

18.26

19.69

底層(B-1m)

17.44

17.49

17.54

17.87

19.35

塩分

表層(0.5m)

27.2

29.1

22.7

15.6

21.8

底層(B-1m)

30.6

30.3

30.4

29.4

22.3

DO
(mg/l)

表層(0.5m)

6.62

8.37

6.20

7.54

10.78

底層(B-1m)

6.48

6.27

5.39

5.54

9.69

DO
(%)

表層(0.5m)

82.7

105.3

76.0

88.1

134.4

底層(B-1m)

81.4

78.8

67.9

69.8

120.4

pH

表層(0.5m)

8.11

8.24

7.97

7.98

8.25

底層(B-1m)

8.21

8.17

8.17

8.15

8.17

濁度

表層(0.5m)

2.2

1.3

7.9

4.8

3.3

底層(B-1m)

1.1

1.6

4.9

4.8

4.6

電導度
(mS/cm)

表層(0.5m)

36.8

38.8

31.5

22.3

31.1

底層(B-1m)

40.2

39.9

40.1

39.2

31.5