平成18年3月 内湾調査結果

アマモの生育状況

 左下の写真は、お台場へ昨年11月9日に移植したアマモです。3月19日に潜水したところ、葉上に着生した微細藻類のため、葉体は褐色がかっており、重みによりしなだれている様子が見えます。若草色した新葉が伸長している様子も写真からうかがえますが、170本ずつ2ヶ所へ移植した株数は、それぞれ170本→243本、170本→102本と思わしくありませんでした(下表参照)。
 上記したように、同一地区でも、場所により株の増殖数に大きな隔たりが見られましたが、後者は前者よりも波浪の影響が弱い場所でもあります。
 右下の写真は、葉上を這うイッカククモガニです。本種は北米原産種ですが、船のバラスト水に幼生が混入して東京湾に住み着いたと考えられています。なお、東京都内湾の水深5mから8m付近で行う小型底びき網調査では、本種がカニ類の中で最も多く採集されます。

アマモ


葉上を這うイッカククモガニ


5cmから6cm程のアマモ

左の写真は、播種マットから発芽生長した5cmから6cm程のアマモです。
 プランクトンが増殖し始める春期は、透明度が低下するため光が差し込みにくく、生育環境は厳しくなります。 


表1


底曳き網調査で採集されたマハゼ

マハゼ

 大都市のど真ん中にあるお台場の水深4mから5m地点にマハゼの産卵場があることは、過去の調査でわかっています。
 今回、同水域で3月16日に曳き網調査を行った結果、全長14.3cmから17.8cmの大型のマハゼが網に入りました。


平成18年3月16日内湾水質調査結果
調査位置 st.1 羽田洲 st.2 羽田沖 st.3 15号地 st.4 三枚洲 st.5 お台場
時刻 10:15 10:45 9:25 8:50 11:30
天候
風向/風力 E/1 E/1 NE/1 NE/1 NE/1
気温℃ 13 13 12 12 13
水深(B)m 3 7 5 4 2
透明度m 1.5 2.0 2.5 1.5 2.0
水色          
水温℃ 表層 11.4 11.4 11.2 11.2 12.2
低層(B-1)m 11.1 11.0 11.2 10.7 12.1
塩分 表層 27.1 27.6 27.5 26.9 26.4
低層(B-1)m 28.9 28.4 28.9 28.4 27.1
pH 表層 8.25 8.27 8.25 8.18 8.22
低層(B-1)m 8.27 8.25 8.23 8.04 8.24
DOmg/L 表層 9.53 9.00 8.94 11.14 9.86
低層(B-1)m 9.46 9.55 9.38 10.61 9.49
濁度 表層 4.40 4.48 4.51 4.41 4.34
低層(B-1)m 4.72 4.64 4.70 4.64 4.42
電気伝導率 表層 6.7 8.0 2.1 7.3 8.0
低層(B-1)m 4.2 9.3 2.3 4.2 8.0