指導普及資料031125

マハゼはもうすぐ産卵の時期を迎えます。

多摩川河口のSt1 (羽田洲)で採取

多摩川河口のSt1 (羽田洲)で採取した写真(上)の個体は、腹がこれから大きくなる雌と推定されます。この時期の雄は、巣穴を掘るため口が雌より大きく角張り、巣穴に入り込んだままで滅多に泳ぎ回っていません。


多摩川では!!

全長 7ミリほどのアユの仔魚

写真(上)は、丸子橋下の多摩川で、11月5日に底層採集された、全長 7ミリほどのアユの仔魚です。親からもらった卵の栄養を吸収しつくし、河川水とともに内湾へ漂い出て行きます。今回、下流のSt1(羽田洲)では、採集を確認できませんでした。海底の泥を巻き込んで採集する方法では、柔らかいアユ仔魚はつぶれるのかもしれません。


カタクチイワシ

写真(上)カタクチイワシ。
採集地点、St5(お台場)。


イッカククモガニ

写真(上)イッカククモガニ。
採集地点、St3(15号地)。


採集物(魚類、甲殻類、その他の水生生物)の湿重量表に示すSt1(羽田洲)の甲殻類は、ほとんどがイサザアミでした。羽田洲で獲れたマハゼにもイサザアミが付着していました(冒頭の写真)。 先月から引き続いて多摩川河口で、アミ類の大量発生がみられます。 内湾の水質は、St5(お台場)で底層水の酸素が不足気味ですが、大事には至っていません。


平成15年(2003年)11月12日の内湾調査結果
調査位置 St1 羽田洲 St2 羽田沖 St3 15号地 St4 三枚洲 St5 お台場
調査時刻 10:37 10:12 9:00 9:32 8:18
天候 晴れ くもり
風向/風力 北東/2 東/3 北東/2 東/2 北/1
気温 15.9 15.2 14.0 14.4 13.8
水深(Bm) 3.5 5.4 7.0 4.9 5.6
透明度(m) 2.7 2.5 2.5 2.8 3.0
水色 15 15 15 15 16
水温
(℃)
表層 17.8 17.5 17.7 17.9 17.6
底層(B-1m) 17.9 18.0 18.9 18.5 18.8
塩分 表層 29.2 26.4 26.8 29.3 24.5
底層(B-1m) 29.2 28.7 32.0 31.3 29.7
pH 表層 8.31 8.18 8.12 8.26 7.87
底層(B-1m) 8.31 8.17 8.27 8.36 8.05
DO
(mg/l)
表層 6.2 5.1 4.7 5.6 3.8
底層(B-1m) 6.2 4.5 4.2 5.5 2.9
項目 湿重量(g)
魚類※ 16.48 0.16 42.48 0.38 3.88
甲殻類※ 114.89 0.32 77.92 1.50 2.50
その他水生生物※ 39.12 0.79 344.98 10.15 23.92

※現場で放流する個体を除く