内湾調査平成21年10月 羽田洲で10月に採集されたシログチとカタクチイワシ
羽田洲で10月に採集されたシログチとカタクチイワシ
写真左側の細長い体形の魚は、高級煮干や、目刺で知られるカタクチイワシEngraulis japonicus(Houttuyn)の若魚で、目と口の位置関係が本種の大きな特徴点です。口元が眼球よりも後方に切れ込んでいるのがわかるでしょうか。
また、同じ体形の4匹の魚は、別名イシモチと呼ぶニべ科のシログチArgyosomus argentatus(Houttuyn)の稚魚(鰭条数が親魚と同じでも、体形には隔たりがある)です。本種は銀白色の剥がれやすい大きな鱗と尾鰭の中央部分がその上下端よりも突き出す形が特徴的です。刺身や塩焼きなどで食することができ、淡白な味わいです。
さて、イシモチの由来は、頭部にある炭酸カルシウムの結晶でできた耳石(じせき)の形にちなんでいます。興味のある方は魚屋さんで入手し、頭部を裏返した状態で脊椎骨との接点部分にある膨らみの中から耳石を取り出してください。囲碁で使う碁石よりもぶ厚い白い塊を見ると納得できます。
最後に、魚の周りにボウフラの脱皮殻のような細いものが見えますが、これは佃煮や魚の餌になる甲殻類のニホンイサザアミです。
写真1 羽田空港前の羽田洲で10月に採集された生物
平成21年10月6日 内湾水質調査結果
