真冬の海底に二枚貝の砕片の塊り!?

 東京湾で晩秋に調査をしていると、カモ類の大群が越冬のために渡来するのが目に留まり、季節の移り変わりを感じます。これらのカモは、干潟付近を中心に春まで滞在し、暖かくなる4月頃、一斉に北へと飛び立ちます。さて、冬期の波打ち際を歩くと、細かく砕かれた二枚貝の殻が砂の上に白いペイントを流したように散らばっているのをみかけます。冬期にお台場海浜公園の浅場を潜水した際、二枚貝の砕片が半透明な膜で包まれた塊りになっていることが確認でき、何らかの動物が排泄したことがはっきりしました。その砕片を撮影した当時は、動物捕食性のスズガモAythya marilaが同公園を根城にして滞在していたことから、本種が二枚貝を呑み込み砂嚢(砂肝)で砕いた張本人と考えられます。

 なお、顕微鏡で砕片を観察すると、アサリとシオフキであることが判明しました。炭酸カルシウムでできた貝殻は砂ほど安定しませんが、しばらくすると分散して海底の砂の一部になります

写真1 写真2

 海底の貝殻片               お台場海浜公園を根城にするスズガモ

 

平成24年2月8日内湾水質調査結果

 

St.1 羽田洲

St.2 羽田沖

St.3 15号地

St.4 三枚洲

St.5 お台場

調査開始時刻

10:28

9:50

9:06

8:41

11:26

調査終了時刻

10:45

10:12

9:27

8:58

11:46

底曳開始緯度

N35 31 51.35

N35 33 23.88

N35 36 46.22

N35 37 20.70

N35 37 46.16

底曳開始経度

E139 47 38.09

E139 47 47.65

E139 50 15.03

E139 51 17.87

E139 46 15.86

底曳終了緯度

N35 31 50.67

N35 33 25.03

N35 36 45.81

N35 37 21.76

N35 37 45.45

底曳終了経度

E139 47 39.30

E139 47 47.71

E139 50 13.60

E139 51 18.53

E139 46 14.65

曳網距離(m)

37±3

38±3

38±3

37±3

36±3

天候

風向

NW

NE

NNE

N

N

風速(m/sec)

6.2

9.1

6.1

11.2

4.4

風力

4

5

4

6

3

気温(℃)

6.9

6.9

6.1

6.5

7.5

実測水深(m)

3.5

5.5

5.2

4.3

2.5

透明度(m)

1.7

2.5

2.6

1.8

2.6

水色

5GY3/3
暗灰黄緑色

10GY3/4
暗緑色

5GY3/3
暗灰黄緑色

5GY3/3
暗灰黄緑色

10GY3/4
暗緑色

水温
(℃)

表層(0.5m)

9.17

9.41

8.83

8.70

9.48

底層(B-1m)

8.96

9.26

8.87

8.72

9.59

塩分

表層(0.5m)

27.9

28.6

31.6

30.3

29.5

底層(B-1m)

29.5

30.1

31.8

31.1

29.7

DO
(mg/l)

表層(0.5m)

8.31

8.57

8.74

8.68

7.95

底層(B-1m)

8.15

8.54

8.47

8.61

7.69

DO
(%)

表層(0.5m)

86.4

90.0

92.3

90.7

84.0

底層(B-1m)

85.2

90.2

89.7

90.4

81.7

pH

表層(0.5m)

8.16

8.17

8.27

8.23

8.16

底層(B-1m)

8.19

8.21

8.26

8.26

8.17

濁度

表層(0.5m)

4.3

2.1

2.1

4.7

1.8

底層(B-1m)

2.1

1.8

6.0

5.8

1.8

電導度
(mS/cm)

表層(0.5m)

30.4

31.3

33.7

32.3

32.2

底層(B-1m)

31.8

32.7

34.0

33.2

32.5