平成17年10月 内湾調査

東京湾に下るアユの子供(仔魚)

多摩川

秋に川でふ化したアユの子供は、東京湾に下り、春になって再び川に遡上するまでの間、海で過ごします。
今回、東京で唯一アユが産卵する多摩川で産卵状況を調べました。また、試験的に産卵場の造成を漁業者と行政機関と一緒に行いました(上の写真)。場所は、二子玉川橋下流の流れがやや強い瀬の辺りです。
左下の写真は、小石に付着していたアユの卵です。発生が進んで、眼球がはっきりと見えるまでになっています。右下の写真は、ふ化したばかりの6mmから7mmサイズのアユの子供です(計数シャーレの格子の一辺は5mm)。

アユの卵

ふ化したばかりの6mmから7mmサイズのアユの子供


お台場で採れた二枚貝

在来のカガミガイにも似たこの二枚貝は、北米から移入した外来種で、種名はホンビノスガイです。カガミガイよりも貝殻の上に見られる成長線がハッキリしています。
東京湾では、平成10年頃に幕張の海岸で稚貝が打ち上げがられたのが初めての報告と言われています。今では、東京湾奥の京浜運河や江戸川放水路の堰下などでも採れています。
下の写真は、10月26日にお台場で採取したホンビノスガイで、殻長は57mmから85mmありました。
本種は、アサリよりもやや泥っぽい深場に生息しており、海底では呼吸や餌を取り込むための入水管と糞など排出するための出水管の計2本の管が出ているので、探すのは容易です。

ホンビノスガイ1

ホンビノスガイ2

ホンビノスガイの水管

左の写真は、ホンビノスガイの水管を撮影したものです。何個体いるかわかりますか!?ヒントは、"味噌汁などで食べるアサリと同じような2つの突起"です。





答えは、2個体です。


平成17年10月18日内湾調査

調査地点はこちらから

調査位置 st.1 羽田洲 st.2 羽田沖 st.3 15号地 st.4 三枚洲 st.5 お台場
時刻 9:57 10:56 9:10 8:45 11:52
天候
風向/風力 NE/3 N/3 NE/3 NE/3 N/3
気温℃ 19 19 19 19 19
水深(B)m 3 7 3 4 3
透明度m 2 2 1 2 2
水色 dg-G dg-G dg-YG dg-YG dg-YG
水温℃ 表層 20.5 20.7 20.9 20.5 21.1
低層(B-1)m 20.6 20.8 21.0 20.8 21.2
塩分 表層 22.4 19.7 22.6 21.1 19.1
低層(B-1)m 24.2 22.7 26.7 28.0 19.9
pH 表層 7.80 7.78 7.72 7.50 7.56
低層(B-1)m 7.87 7.69 7.70 7.87 7.49
DOmg/L 表層 7.60 7.50 6.49 7.67 5.17
低層(B-1)m 7.82 7.44 5.21 7.14 3.86
濁度 表層 7.5 5.7 10.2 5.4 4.5
低層(B-1)m 6.3 5.2 9.0 4.2 4.5
電気伝導率 表層 3.47 3.20 3.60 3.49 3.70
低層(B-1)m 3.81 3.63 4.21 4.38 3.23