東京湾奥、秋のハゼ釣り調査の一こま

 東京湾奥では、初夏から秋に河口域や運河などの岸辺でハゼ釣りを楽しむ人を見かけます。ゴカイを餌にして身近な場所で手軽に釣ることができ、味も良いため、昭和30、40年代は“庶民のハゼ釣り”として人気が高く、船釣りがとても盛んでした。当時を偲ぶ写真を2枚掲載しましたが、ハゼが生息できる浅場と水質環境が整っていたため湧くほどいたようです。しかし、高度成長期になると、湾奥の埋め立てと水質悪化が同時進行し、ハゼは著しく減少しました。

 近年、シンボリックなハゼ(正式な名前はマハゼAcanthogobius flavimanus(Temminck&Schlegel)の復活を願って、運河沿いの住民や、環境保護団体、国・地方自治体などが連携して、ハゼ釣り調査や学習会が開催されるようになりました。今回、平成22年10月に行った釣り調査の様子を紹介します

 

写真1  写真2

 昭和30、40年頃の東京湾奥のハゼ釣り風景

(写真提供、澤田氏)

写真3 写真4 写真5

 
平成22年10月7日内湾水質調査結果

  St.1 羽田洲 St.2 羽田沖 St.3 15号地 St.4 三枚洲 St.5 お台場
調査開始時刻 10:10 10:40 9:10 8:40 11:30
調査終了時刻 10:29 11:11 9:45 9:00 11:53
底曳開始緯度 N35 31 48.39 N35 33 11.24 N35 36 47.39 N35 37 18.38 N35 37 46.30
底曳開始経度 E139 47 35.49 E139 47 57.15 E139 50 14.81 E139 51 23.42 E139 46 15.75
底曳終了緯度 N35 31 49.48 N35 33 10.13 N35 36 47.06 N35 37 17.16 N35 37 45.31
底曳終了経度 E139 47 36.88 E139 47 57.54 E139 50 13.39 E139 51 22.93 E139 46 14.98
曳網距離(m) 37±4 36±4 38±4 40±4 37±4
天候
風向 N NE N N E
風速(m/sec) 4.5 6.0 4.6 5.0 5.0
風力 3 4 3 3 3
気温(℃) 24.5 24.9 23.5 21.5 25.2
実測水深(m) 5.1 4.8 5.1 5.0 2.6
透明度(m) 2.1 1.8 1.3 1.8 1.9
水色 5GY 3/3
暗灰黄緑色
5GY 3/3
暗灰黄緑色
5GY 3/3
暗灰黄緑色
5GY 3/3
暗灰黄緑色
5GY 3/3
暗灰黄緑色
水温
(℃)
表層
(0.5m)
22.29 22.45 22.34 22.23 22.77
底層
(B-1m)
22.31 22.09 22.40 22.42 22.72
塩分 表層
(0.5m)
25.0 21.6 24.3 27.6 25.2
底層
(B-1m)
26.0 24.1 31.4 28.7 25.6
DO
(mg/l)
表層
(0.5m)
8.05 9.44 4.98 7.00 6.22
底層
(B-1m)
4.93 6.88 1.34 5.98 4.96
DO
(%)
表層
(0.5m)
107.3 123.8 66.2 94.7 83.8
底層
(B-1m)
66.1 90.9 18.5 81.6 66.9
pH 表層
(0.5m)
8.08 8.11 7.76 8.08 7.83
底層
(B-1m)
7.85 7.99 7.75 8.04 7.76
濁度 表層
(0.5m)
1.6 2.3 7.3 3.4 10.9
底層
(B-1m)
1.9 3.2 4.1 5.6 3.0
電導度
(mS/cm)
表層
(0.5m)
37.2 32.7 36.2 40.6 37.8
底層
(B-1m)
38.5 35.9 45.7 42.2 38.3