多摩川下流域における二枚貝生息調査

  2月に多摩川河口より上流2・5kmの大師橋からガス橋(東海道新幹線の車窓から下流にみえる橋)付近までの砂泥域で、二枚貝の生息調査を行いました(図1)。その結果、内湾性のアサリRuditapes philippinarumがJR東海道本線六郷橋橋梁付近より下流で、淡水と海水が混じる汽水域に生息するヤマトシジミCorbicula  japonicaが大師橋からヨシハラ地点間を中心に河口より上流9kmの多摩川大橋付近まで、また中国や台湾などの東南アジアに生息する淡水性の外来種であるタイワンシジミCorbicula flumineaが河口より上流7~8 km地点(多摩川大橋の1~2km下流)以北で採集されました。

 この塩分濃度の違いを反映した二枚貝の棲み分けをみると、種固有の環境が生物にとっていかに重要であるかを考えさせられます。

 H2502 写真1

           写真1 調査地点と二枚貝の採集域 

       凡例: アサリ、ヤマトシジミ、タイワンシジミ

 H2502 写真2H2502 写真3

写真2 ヤマトシジミ(左)とタイワンシジミ 写真3 六郷橋付近で採集したアサリの稚貝

  (写真上の一目盛は1㎜)

 

平成25年2月22日 内湾水質調査結果 

 

 

St.1 羽田洲

St.2 羽田沖

St.3 15号地

St.4 三枚洲

St.5 お台場

調査開始時刻

9:07

10:14

11:30

12:05

13:17

調査終了時刻

9:33

10:43

11:55

12:32

13:42

底曳開始緯度

N35 31 49.1 

N35 33 21.2 

N35 36 45.1 

N35 37 17.5 

N35 37 45.0 

底曳開始経度

E139 47 36.7 

E139 47 52.2 

E139 50. 13.6 

E139 51 19.4 

E139 46 16.2 

底曳終了緯度

N35 31 48.2 

N35 33 20.7 

N35 36 44.3 

N35 37 16.6 

N35 37 44.4 

底曳終了経度

E139 47 37.0 

E139 47 53.4 

E139 50. 13.1 

E139 51 19.9 

E139 46 15.3 

曳網距離(m)

28.73

29.42

30.22

30.43

29.17

天候

風向

N

N

N

N

N

風速(m/sec)

4.0

4.7

1.2

0.1

3.0

風力

3

3

1

0

2

気温(℃)

3.2

4.1

5.0

6.1

6.5

実測水深(m)

3.7

4.4

5.2

3.7

2.4

透明度(m)

2.7

1.8

1.6

1.7

2.1

水色
(フォーレルウーレ・水色計)

16

17

18

17

18

水温
(℃)

表層(0.5m)

8.2

9.4

9.4

8.2

10.2

底層(B-1m)

8.9

10.1

10.1

9.7

9.7

塩分

表層(0.5m)

29.9

29.0

30.2

23.7

29.7

底層(B-1m)

29.9

30.0

30.9

30.3

29.5

DO
(mg/l)

表層(0.5m)

7.2

8.1

7.8

7.9

7.9

底層(B-1m)

7.0

7.3

7.4

7.0

7.8

DO
(%)

表層(0.5m)

76.0

87.6

84.3

80.0

87.3

底層(B-1m)

75.7

80.7

82.4

77.4

86.2

pH

表層(0.5m)

7.95

8.08

7.97

7.87

8.01

底層(B-1m)

8.11

8.15

8.19

8.05

8.09

濁度

表層(0.5m)

4.0

5.0

7.0

6.0

4.0

底層(B-1m)

3.0

5.0

7.0

6.0

4.0

電導度
(mS/cm)

表層(0.5m)

33.45

33.26

34.64

26.66

34.65

46.09

44.84

46.35

37.12

45.63

底層(B-1m)

33.75

35.50

35.85

34.72

34.14

46.08

46.90

47.33

46.59

45.49