平成18年5月 内湾調査結果

アミの大量発生

羽田空港に隣接する多摩川河口

 多摩川河口から旧江戸川河口までの東京都内湾の5地点で、毎月1回水質や稚魚調査を行っています。
 今回、羽田空港に隣接する多摩川河口(写真右)で、ニホンイサザアミが大量に採集できました(写真下)。
 アミの漁獲量は、昭和26年(1951)には1,125トンを超えたこともありますが、昭和43年(1968)年以降統計上記録がなくなりました。昔は、天日干しにしたり、佃煮として食用されていました。
 なお、調査漁具の枠外にひかかったアミを生のまま試食したところ、ほんのりと甘い味がしました。

アミをバットに収容

アミをバットに収容

アミの拡大写真

アミの拡大写真

アミとともに混獲されたスズキの稚魚とハゼ科魚類

アミとともに混獲されたスズキの稚魚とハゼ科魚類

アミに混じりエビジャコも採集

アミに混じりエビジャコも採集


お台場でみられたアサリの生活防御策!?

左側はアサリの稚貝 右側はアサリ

 ムール貝と称して食用にされる黒い三角形状の2枚貝がいますが、東京湾でも運河の防波堤壁面や杭の周辺に同じような貝(写真下左右:ムラサキイガイなど)がごく普通に付着しているのが観察できます。
 貝殻の合わさるところをよく見ると、堅い糸状のもので付着しており、この糸を足糸と呼びます。
 さて、上の写真をご覧下さい。左側は砂中から取り上げたシオフキにぶら下がるアサリの稚貝。右側は砂中の石ころに糸を張っていたアサリです。
 これらは、すぐに切れるような柔らかいものですが、同じように足糸と呼ばれており、自分たちの体を波の動揺などから安定させるためと考えられます。
 潮干狩りに出かけられた時には、注意して観察してみると面白いかもしれません。

ムラサキイガイ1

ムラサキイガイ2


平成18年5月18日内湾水質調査結果

調査位置 St.1 羽田洲 St.2 羽田沖 St.3 15号地 St.4 三枚洲 St.5 お台場
時刻 9:00 9:55 11:25 10:40 12:20
天候
風向/風速(m/s) NE/1.1 NNE/3.7 NNE/3.7 NE/1.1 NNE/1.8
気温(℃) 16.0 16.1 16.6 16.6 17.5
実測水深(m) 5.0 6.7 6.5 4.7 3.9
透明度(m) 1.5 1.4 1.7 2.1 1.6
水色 5GY3/3 5GY3/3・5.5Y4/4 5GY3/3 5GY3/3 5GY3/3
(暗灰黄緑色) (暗灰黄緑色・緑褐色) (暗灰黄緑色) (暗灰黄緑色) (暗灰黄緑色)
水温(℃) 表層 18.04 18.38 17.58 17.26 18.10
低層(B-1)m 17.44 16.20 15.84 16.64 17.50
塩分(PPT) 表層 26.07 22.05 23.39 27.88 25.10
底層(B-1)m 30.31 30.42 31.51 30.43 27.97
pH 表層 8.36 8.22 8.09 8.28 8.04
底層(B-1)m 8.46 8.13 8.12 8.31 7.99
DO
(mg/L) (%)
表層 9.91 12.51 6.61 10.10 8.55
119.0 151.5 78.3 125.2 105.3
底層(B-1)m 8.80 5.90 4.94 7.68 5.28
108.9 72.5 57.6 94.4 66.0
濁度(ppm) 表層 7.1 5.6 10.9 7.5 6.9
底層(B-1)m 13.6 3.3 3.9 3.0 7.9
電気
伝導率(mS/cm)
表層 40.67 34.82 36.36 42.95 39.28
底層(B-1)m 46.16 46.99 48.46 46.77 28.22