外洋性のカライワシがまた内湾に出現!

 透明な寒天状のカライワシ(Elops hawaiensis Regan)のレプトセファルス幼生(写真1)を葛西臨海公園東なぎさで平成20年9月1日に2個体採集しましたが、その後10月31日に同水域で再び本種を1個体採集しました。今回は、各鰭の条数が成魚と同じ数に達する全長約35㎜の稚魚期の個体でした(写真2)。見た目はイワシ類の稚魚に似ていますが、よく観察すると鰭の位置関係もやや異なり、実態顕微鏡下でさらに観察していくと脊椎骨数にほぼ対応する筋肉節数が68ないし70ほどと異常に多くありました。このサイズは、稚魚図鑑や成魚図鑑に掲載されていませんが、最終的には鰭の条数や筋肉節数などを元に本種と決定しました。なお、12cm程のマアナゴのレプトセファルス幼生が本来の筒状の姿に変態する際、6,7cm程度に短縮しますが、今回採集した稚魚は前回の幼生より全長がやや短い状態でした。
   この他にも、内湾漁業者が12月16日に豊洲地先へ設置した刺し網漁具によって、全長約27cmのカライワシが採捕されています。
 一連の採捕状況から、外洋性のカライワシが海流によって東京湾内に移送され、湾奥の汽水域で成長したものと考えられます。

幼生

写真1 9月1日の幼生(全長37~38mm)

稚魚

写真2 10月31日の稚魚(全長約35mm)

未成魚

写真3 12月16日の未成魚約27cm(写真提供;東京都内湾漁業環境整備協会)

 

平成21年2月16日内湾水質調査結果

水質調査結果