普及指導資料 021029


10月の内湾に小エビが繁殖(内湾調査から)

調査位置 St.1
羽田洲
St.2
羽田沖
St.4
三枚洲
St.3
15号地
St.5
お台場
時刻 8:22 8:47 9:25 9:56 10:46
天候 晴れ 晴れ 快晴 快晴 快晴
風向/風力 ―/0 南西/1 南/1 南/1 南/1
気温℃ 16.6 17.3 18.3 18.6 19.2
水深(B)m 3.8 5.1 5.9 6.9 4.8
透明度m 2.5 3.0 1.4 2.5 3.5
水色 16 17 15 16 18
水温℃ 表層 20.2 20.5 20.2 20.0 20.5
底層(B-1)m 20.5 20.5 20.6 20.6 21.1
塩分 表層 24.47 27.44 18.54 18.48 23.12
底層(B-1)m 29.00 28.39 30.93 31.04 30.34
pH 表層 7.84 7.83 7.70 7.23 7.14
底層(B-1)m 7.72 7.77 7.71 7.35 7.22
DO
mg/l
表層 7.9 7.0 5.7 4.8 3.8
底層(B-1)m 8.1 6.0 5.4 3.2 2.9

表1 10月の水質調査結果(調査年月日;平成14年10月22日)

図1 調査地点図

図1 調査地点図

 解説; 15号地、お台場では、底層の溶存酸素量(DO)が4mg/l以下と少なく、魚類の定着は未だ多くありません。このため、小エビ類の繁殖が盛んで、15号地ではアキアミ(サクラエビの仲間)、お台場ではシバエビが目立ちました。



内湾の話題(大アナゴ)

 10月11日、午前9時には帰航していた船橋漁協所属の巻き網船(写真1)、大平丸さん(大野一敏 船長)が大アナゴ(写真2)を千葉市沖の内湾でスズキやフッコに混じって生け捕りにしました。残念ながら20日に死んでしまいましたが、魚を譲り受けて東京都水試で詳しく調べました。
 種類の査定は、「日本産魚類検索、全種の同定、第二版、中坊徹次編」をみて写真3の特徴(側面からみた場合に、胸びれの先端が背びれの始まる箇所に達している)ことからマアナゴと同定しました。もちろん、マアナゴの特徴である側線の白点も認められます。
 全長は101.3cm(写真4)、生け捕り時は2.8kgあった体重は、800g減って2kgでした。性別は雌で、生殖腺の重さは50.5gと発達してませんでした。これは時期的なものなのか、採捕された場所によるのか調べる必要があると思われます。
 いずれにせよ、内湾で採捕された最大級のマアナゴでした。


大アナゴ写真いろいろ

写真1 船橋漁港に係留される漁船群

写真1 船橋漁港に係留される漁船群
手前の船が大平丸

写真2 体色もマアナゴの様

写真2 体色もマアナゴの様


写真3 側線に白色点など

写真3 側線に白色点など

写真4 1mの物差しを超します

写真4 1mの物差しを超します

写真5 ひだ状の生殖腺は雌

写真5 ひだ状の生殖腺は雌

クロアナゴ1

クロアナゴ(八丈島近海の松生場)
平成14年8月16日、八丈島の大洋丸が釣獲しました。

クロアナゴ2

かろうじて胸びれの先端は、
背びれが始まる前で止まります。

クロアナゴ3

全長97cm、重さ2.5kgの大きさでした。