内湾調査令和元年7月 アミ類とイサキが採れました

内湾調査令和元年7月 アミ類とイサキが採れました

アミ類Neomysis spまたはspp.がSt.3(15号地)とSt.4(三枚洲)で合わせて4.4㎏と今年になって初めて大量に採集されました。こし網から揚げたときは「あんこ」の塊のような外観(写真1)でしたが、写真撮影用の水槽に入れると途端に泳ぎだしました(写真2)。アミ類は、湾奥の多くの魚類にとって餌となる重要なプランクトンです。なお、St.3で湾奥では珍しいイサキParapristipoma trilineatumの仔魚が採れました(写真3)ので、以下に紹介します。

珍客イサキ

今回採れたイサキの仔魚はふ化後3週間ほど経ったとみられる全長10㎜で、St.3は荒川に隣接する若洲海浜公園沖に位置します(図1)。本種は、日本の東北地方以南から東アジアなどの岩礁域に生息する魚ですが、湾奥に入る流れに乗ってたどり着いたものと考えられます。

このように、外洋性の魚類が東京都内湾で確認されるケースは、今ではそれほど珍しいことではありません。例えば、全長5~6cmのトビウオ類の稚魚が初夏の羽田空港C滑走路沖や運河で浮遊する姿が観察されることもあれば、体が柳の葉っぱの形をした透明なカライワシの仔魚(葉形仔魚とかレプトセファルス幼生と呼称)が何度も採集されています(『内湾だより』平成20年8月、平成21年2月、平成28年11月、平成29年1月参照)。この他、京浜運河内の芝浦アイランド前では、つま楊枝よりも細い畳針ほどの太さのダツの仔魚が採集されたこともあります(同『内湾だより』平成20年10月参照)。

さて本題のイサキは、初夏の産卵期に生殖のためのエネルギーを使い果たして一時的に痩せた個体でない限り、刺身・塩焼・煮つけ・フライなど、どのような料理方法でも美味しくいただけます(写真4)。また、三枚おろしで出たあらを潮汁にすれば、季節を問わずとても良い味がでます。

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写真1 アミ類(St.4で網に入った様子)        写真2 アミ類(水中での様子、スケールの最

                                小目盛りは1㎜)


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写真3 イサキの仔魚(スケールの目盛りは1㎜)  写真4 イサキの成魚(2020年7月、市場にて)


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図1 調査地点

内湾水質調査結果 令和元年7月2日表1png.png

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