内湾調査令和6年11月5日 秋口の色々な生き物。今年はシロギスの当たり年?

内湾調査令和6年11月5日 秋口の色々な生き物。今年はシロギスの当たり年?

11月5日の東京湾は、先月に引き続き北風が吹き、気温は先月と比べて2~3℃低くなり、水温は20℃付近まで下がってきました。底層の酸素濃度は、St.2の羽田沖とSt.5のお台場で、貧酸素の基準となる3.0mg/Lより低くなっていましたが、湾奥全体に貧酸素が広がっていた先月と比較すると、貧酸素水塊は解消傾向にありました。

今回の調査ではハタタテヌメリRepomucenus valencienneiやアミメハギRudarius ercodes、シロギスSillago japonicaやヒメイカIdiosepius paradoxusなどが採取されました。

その中でも、今年はシロギスがとりわけ多く採取されています。例年は夏から冬にかけて数匹採取される程度ですが、9月には386匹、10月には20匹、11月には10匹採取されました。その多くは、見えづらい小さな仔稚魚でしたが、7~9cm程度の目立つサイズまで成長した個体も採取されています。シロギスの産卵期は6~10月ごろとされていて、春から初夏にかけて大きく成長します。来年の夏には、大きなシロギスが、より多く採取されるかもしれません。

東京湾奥調査地点図.png

図1 調査地点図

 

ハタタテヌメリR061105.png

図2 St.4で採集されたハタタテヌメリ。
鰓蓋に棘の様な突起があり、調査用の網に引っかかって中々落ちないことも。

 

アミメハギR061105.jpg

図3 St.1で採集されたアミメハギの幼魚。

St.1付近はアマモ場があることが知られており、そこで大きくなると思われます。

 

ヒメイカR061105.png

図4 ヒメイカ。
世界最小のイカで、この個体よりもう少しだけ(20mmほどに)大きくなります。

シロギスR061105.jpg

図5 シロギス。

今年度、結構な頻度で採取されます。

東京湾でも釣りの対象種として親しまれており、もう少し大きいと食べごろです。

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図6 9月の内湾調査において、St.2で採取された生物。

イサザアミやアキアミなど、普段の調査で大量に採取される生物に混じって、沢山のシロギスが入っていました。

 

令和6年11月5日内湾水質調査結果

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