内湾調査令和6年12月2日 アキアミとジンドウイカと高い透明度

内湾調査令和6年12月2日 アキアミとジンドウイカと高い透明度

12月2日の東京湾は、水温が16℃近くまで下がり、底層の酸素濃度も十分高くなって、貧酸素状態はようやく解消されていました。

今回の調査では、アキアミAcetes japonicus(図2)が多く採集されました。今年度の調査では、アキアミはイサザアミ等と比べて少量が採取される場合が多いのですが、今回の調査では、イサザアミ類より大量にアキアミが採取されました。(図3)。

その他には、ジンドウイカLoliolus (Nipponololigo) japonica(図4)が多く採集されました。本調査で採取されるイカはヒメイカが多いのですが、今回はジンドウイカが多く採取されました。ジンドウイカは小型のイカですが、ヒメイカとは異なり、外套長(胴体にあたる部分の長さ)が10cm前後まで成長します。今回採取された個体は外套長が2cm程度なため、まだまだ大きくなります。

また、今回の調査で目立ったのは生物だけでなく、海水の透明度も目立ちました。春から秋にかけては、透明度は2m程度あれば良い方ですが、今回の調査では引き潮だったこともあってか、St.5(お台場)の底が見えるほど透明度が高くなっていました(図5)。冬場の海水が透明な理由は、植物プランクトンが少なくなる、強い季節風(北風)によって濁った水が東京湾から流れ出るなど、様々に挙げられますが、そのお陰で、この時期では橋の上から魚の群れが見えたりします。

東京湾奥調査地点図.png

図1 調査地点図

 

R061202アキアミ.jpg

図2 St.1で採取されたアキアミ。
背景が青いため少々分かりづらいが、長く赤い触覚を持つ。
イサザアミ類とは違い、こちらはサクラエビ科で、いわゆるエビの仲間。

 

R061202アキアミヒメイカ.png

図3 St.2で採取された大量のアキアミとヒメイカ(中央)。
イサザアミよりアキアミの方が多く採集されることは珍しい。

 

R061202ジンドウイカ.jpg

図4 St.3で採集されたジンドウイカ。
丸っこいヒメイカと異なり、ヤリイカ科のイカで、一般的なイメージのイカの姿をしています。

 

R061202透明度板.jpg

図5 高い透明度だったSt.5。
透明度を調査するための透明度板(見えなくなるまでの距離を測ります)が、4mほどで底についてしまっています。

 

R061202クロダイ?.png

 図6 島しょセンター近くの橋の上から見えた魚の群れ。

おそらくクロダイと思わしき魚が群れを成しているのが見えました。

 

 

令和6年12月2日内湾水質調査結果

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