内湾調査令和2年12月 カタクチイワシの生息

内湾調査令和2年12月 カタクチイワシの生息

カタクチイワシEngraulis japonicusは、しらす干し、煮干し、目刺し等の加工品でおなじみですが、東京湾奥では漁獲する対象とはなっていません。小型底引き網を用いた調査では毎年採集され、最近10年間(平成23年~令和2年)の採集尾数(図1、St.1~5の合計)の月推移では5~10月に採集尾数が多い傾向がありました(図2)。また、平成24年及び29年を除いた最近の10年間では、4~6月の採集物中に本種の卵も散見されました。

本年は1~4月には全く採集されませんでしたが、5~12月には毎月採集され、6月には1,583尾と過去10年間の月別採集尾数としては最も多くなりました(図2、緑の折れ線)。年間の採集尾数も1,785尾と最近10年間では最も多くなりました(図3)。なお、本年6月の時点では体が小さくて白い「シラス」と呼ばれる成長段階(写真1)だった本種は、その後採集数は大幅に減ったものの(図2)、成長した個体が見られました(写真2、3)。

 図1 調査地点図

  

図2 カタクチイワシ採集尾数(図1、St.1~5の合計)の月推移の比較

(平成23年~令和2年の期間、グラフ中の数字は令和2年のピーク時の尾数)

    図3 カクチイワシ年間採集尾数の経年推移

  (平成23年~令和2年の期間、グラフ中の数字は令和2年の尾数)

 

    写真1 6月に採集されたカタクチイワシ      

    (St.4、格子の1辺は5㎜)        

           

写真2 8月に採集されたカタクチイワシ

 (St.4、黄色い横線は3㎝)  

      写真3 9月に採集されたカタクチイワシ        

         (St.3、スケールの最小目盛りは1㎜)      

内湾水質調査結果 令和2年12月10日

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