内湾調査令和6年10月11日 トビササウシノシタ

内湾調査令和6年10月11日 トビササウシノシタ

10月11日の東京湾は、前日から当日の朝にかけて強く吹き付けた北風の影響か、湾奥全体に貧酸素水塊が広がっていました。底層の酸素濃度は、St.1を除いた全ての調査地点で、貧酸素の基準とされる3.0mg/Lを下回っていました。また、水温は20~23℃台でしたが、冷たい北風の影響か、表層の水温は底層と比較して1.2~1.5℃低くなっていました。

今回の調査では、St.1でシロギス(図2)、St.3でシャコ(図3)が採取されたことに加え、珍しい魚であるトビササウシノシタAseraggodes kobensisの幼魚がSt.2で採取されました(図4)。

トビササウシノシタは、俗にシタビラメと呼ばれる魚の一種ですが、食用にされる種類とは異なり、成長しても10cm程度にしかならない小型の種類です。相模湾以南の水深80~100m付近の海底に生息するとされますが、その生態についてはよく分かっていません。少なくとも、島しょセンターの内湾調査では持続的に採取される種類ではなく、今回は海流に乗って東京湾の入り口から流されてきたものと考えられます。

東京湾奥調査地点図.png

図1 調査地点図

 

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図2 St.1で採集された生物。
今年はシロギスが多く、ここで採集された魚類も殆どがシロギスでした

 

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図3 St.3で採集されたシャコ。
7月に内湾調査で採集されたものより大きく、殆ど大人と変わらない形をしています。

 

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図4 トビササウシノシタ。2cmに満たない大きさの幼魚です。

 

令和6年10月11日内湾水質調査結果

令和6年10月11日水質調査結果

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