内湾調査令和6年7月2日 透明極小のシャコ

内湾調査令和6年7月2日 透明極小のシャコ

7月2日の東京湾は、前日までに吹いた強い南風の影響で海水がかき混ぜられ、夏季にしては底層の酸素濃度が比較的高い状態にありました。また、赤潮の発生は見られませんでした。

そんな中、曳網調査のサンプルを引き上げると、調査員から「痛っ」という声が。ケースに取ってみれば、それは透明なシャコ類の子供(幼生)でした(図2)。シャコ類の幼生は甲殻に棘のような突起があり(図3)、これが引っ掛かったようです。

今回採取されたシャコの種類は正確には分かりませんが、東京湾に主に生息するシャコOratosquilla oratoriaは春から夏に産卵を行うとされ、生まれてからしばらくは浮遊生活を続けた後に、海の底へ着底し、12cmほどまで成長します。

また、古くからシャコは、東京湾で漁獲対象として利用され、かつては東京都でも打瀬網という漁法によって漁獲される重要漁獲対象種でした。
(参考:東京湾産シャコについて

内湾の底泥に生息し、海水の汚染に強く、80年代までは高度経済成長期の後で汚れた東京湾でも年間1000tを超える漁獲がありましたが、近年は不漁となっています。

東京湾奥調査地点図.png

図1 調査地点図

 

図2 St.4で採集されたシャコ類の幼生。

図2 St.4で採集されたシャコ類の幼生。

 

令和3年に採集されたシャコの幼生。

図3 令和3年に採集されたシャコの幼生。

  

令和6年7月2日内湾水質調査結果

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