内湾調査令和7年6月20日 更にたくさんで大きなミズクラゲ/お台場のシラウオ

内湾調査令和7年6月20日 更にたくさんで大きなミズクラゲ/お台場のシラウオ

4月の小型底曳網調査において、大小様々なサイズのミズクラゲAurelia aurita が採集されたことをお伝えしましたが、6月20日の調査では、更に大きくなったミズクラゲが大量に採集されました(図2)。殆どの個体で傘の大きさが20cmを超えており(図3)、4月時点で夏前までに成長するとされた大きさを上回っていました。今回の調査日は、海が大量のプランクトンで赤く染まる赤潮が発生していました(図4)が、ミズクラゲの中央にある、クローバー状の胃も同じ色に染まっていました。発生したプランクトンはミズクラゲの格好の餌になっているようです。

6月14日には、お台場海浜公園で開催された「東京ベイ・クリーンアップ」にて水生生物観察会を開催しました。観察会を行うために、岩場での採集に加え、St.5よりもずっと砂浜に近い浅瀬で、曳網による生物採集を行いました(図5)。曳網ではスズキLateolabrax japonicusの幼魚のほか、マハゼAcanthogobius flavimanusやヒメハゼFavonigobius gymnauchenなどのハゼ科の魚が多く採集され(図6)、海岸清掃に集まった人たちからは、「お台場の海にこんな魚がいるのか」などの声が多く聞かれました。また、3cm程度のシラウオSalangichthys microdonも採集されました(図7)。シラウオは昨年5月にも、当センターの多摩川での調査でも採集されています(多摩川だより6号 約50年ぶりに都内でシラウオが採集されました)が、その時よりもサイズが小さく、また、シラウオの寿命は一年とされていることから、東京湾で世代交代していると考えられます。

東京湾奥調査地点図.png

図1 調査地点図

  

R070620ミズクラゲ1.jpg

R070620ミズクラゲ2.png

図2  St.4で採集された、まるで分厚いビニールのように大きなミズクラゲ

 

R070620ミズクラゲ3.jpg

図3 ミズクラゲを広げたところ。傘の直径は22cmを超える。

 

R070620St4付近赤潮.jpg

 図4 6月20日のSt.4付近の海水
プランクトンが増殖し、赤潮が発生しています

 

R070614曳網.jpg

R070614曳網採集.jpg

図5 お台場海浜公園での曳網による生物採集。

 

R070614スズキ、ヒメハゼ.jpg

図6 スズキの幼魚とヒメハゼ(右下)。

 

R070614シラウオ1.jpg

R070614シラウオマーク付き.png

図7 曳網で採集された3cm程度のシラウオ。

よく観察すると脂びれがあります。

  

令和7年6月20日内湾水質調査結果

R070620.png

このカテゴリー内の他のページ