内湾調査令和7年7月10日 曳網で取れる底生生物

内湾調査令和7年7月10日 曳網で取れる底生生物

内湾調査では曳網で生物を採集します。曳網は、おもりが付いた網を船で曳く都合上、海の底に住む底生生物が入ることがあり、潮位や海の状況次第では底生生物が大量に入ることもあります。

7月10日の調査では、St.4において、昨年8月にも採集されたウミサボテンCavernularia obesa(図2)が採集された他、St.3ではシズクガイTheora fragilisやチヨノハナガイRaetellops pulchellusを始めとした貝類などの底生生物が多く採集されました(図3)。シズクガイやチヨノハナガイは有機汚濁の程度を表す環境の指標種で、汚濁の進んだ場所に生息するとされます。特にSt.3で多く採集されますが、距離がさほど離れていないSt.4では殆ど採集されず、バカガイと見られる貝類が採集されました(図4)。

St.3とSt.4はどちらも荒川の河口に位置しますが、St.3は荒川の流れの延長上にあり、有機物が多く沈む泥上の底質となっている一方、St.4は荒川の流れからはやや外れた位置にあり、底質は砂の多い浅場となっています。底生生物は大きく動くことができない生物が多いため、採集される生物の違いから、その場所の環境を強く表していることが分かります。

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図1 調査地点図

  

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図2 St.4で採集されたウミサボテン。前回採集されたものより、かなり小さい。

 

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図3 St.3で採集された生物。シズクガイやチヨノハナガイが非常に多い。

 

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 図4 St.4で採集された生物。イカの他に、

バカガイ(右上)・トリガイ(左)等のSt.3とは異なる貝類が目立つ

 

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図5 St.1で採取されたダンゴイカSepiola birostrataとウオノギンカ属Anilocra sp.と思しき一種。
ウオノギンカ属は魚に寄生する生物だが、この個体は単独で激しく動いていた。

 

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図6 St.5で採集された立派なマハゼAcanthogobius flavimanus

 

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図7 St.3で採集されたカイヤドリウミグモNymphonella tapetis

貝類に寄生し、アサリに被害を及ぼすことが有名ですが、シズクガイにも寄生します

  

令和7年7月10日内湾水質調査結果

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